ジョゼ・ボベって誰だ?

 フランス農民連盟(Confederation Paysanne)の代表を務める農民で、効率と利益ばかりを優先する食・農・経済の新自由主義的なグローバル化に異をとなえ、まともな食と農、まともな暮らしを守るため、さまざまな活動をしてきた。そんな彼を一躍有名にしたのは……

〈マクドナルド解体事件〉
 EU(欧州連合)がアメリカ産のホルモン剤肥育牛を食の安全の観点から輸入禁止にしたことに対し、アメリカはWTO(世界貿易機関) 協定違反の制裁として、EU からの輸入食品に100%という報復関税をかけた。ボベの地元ラルザック地方の特産ロックフォール・チーズも、この報復関税の対象となった。
 ボベをはじめとする羊乳農家や市民ら約300 人は抗議のため、建設中のマクドナルド店舗に行ってパネルや壁を取り外した。マクドナルドは、食の安全を脅かし、食文化・農業文化を画一化し、世界に貧困と環境破壊を広げつづける食と農のグローバル化、“la Malbouffe”(=悪しき食)の象徴だったからだ。ボベの裁判には世界中から2万人の人々が応援に駆けつけた……

 だがこれは、彼の活躍のほんの一面に過ぎない。

 若い頃、ラルザック高原の軍用地拡張に抵抗して、軍が買収済みの農地に入り有機農業を始めたボベ。良心的兵役拒否、遺伝子組み換え作物に対抗した有機農法の実践、最近ではパレスティナ議長府で人間の盾となって話題を集めた。いまや、ボベの活動はあらゆる方面に及び、国境を越えて活躍している……

いったい何が彼をそうさせるのか?

 先進国と多国籍巨大企業が牛耳る弱肉強食のグローバリゼーションを向こうにまわして、「もう一つの世界」「もう一つの未来」を目指しつづけるボベと、京都で大いに語ろう!

「遺伝子組換え作物…危機に瀕する地球」
遺伝子組換え作物反対を訴えるフランス農民連盟のイラスト。組換えトウモロコシは時限爆弾!?

遺伝子組換え作物反対を訴えるフランス農民連盟のイラスト

ジョゼ・ボベをもっと知るには……

『地球は売り物じゃない!―ジャンクフードと闘う農民たち』
Amazon.co.jp, bk1 〜 書評つき!)
ジョゼ・ボベ&フランソワ・デュフール
紀伊国屋書店  46版264ページ・定価2200円+税

 「マクドナルド解体事件」の真相とは? グローバル化の中で中小農民が生き残る道は?そして都市住民との連帯も視野に入れた「農的農業」とは?

『ジョゼ・ボヴェ: あるフランス農民の反逆』
Amazon.co.jp, bk1
ジョゼ・ボヴェ、ポール・アリエス、クリスチアン・テラス(聞き手)
 柘植書房新社 (定価1,700+税)

 ボヴェの活動家としての半生を、それを支える思想とともに、自らが語り尽くす。

ボベ、激動の足跡

1953年
 
1971年
1972年
1974年
1976年
1981年

ボベ、ボルドー市のタランスという町に生まれる
 幼少期は、カリフォルニアにて過ごす
パートナーとなるアリス・モニエと出会う
ラルザック委員会を組織(軍用地拡張計画に反対)
良心的兵役拒否者の認定が却下される
アリスと共にラルザックでの生活開始(入植)
ミッテラン大統領就任
 同時に、軍用地拡張計画が破棄される

1987年
1980年代
1990年代
 
1999年
 
2001年
2002年
 
 
 
2002年10月

農民連盟結成
ムルロア環礁の核実験反対行動に参加
グリーンピースの活動にも参加
 GM種苗(遺伝子組み換え)実験圃場の破壊
ミヨー市に建設中のマクドナルドを解体
シアトルWTO会議(米国)
第1回ポルトアレグレ世界社会フォーラム(ブラジル)
第2回ポルトアレグレ世界社会フォーラム(ブラジル)
パレスチナ自治政府議長府で人間の盾となる
収監先(収監理由は上記マクドナルド解体)の刑務所より釈放
 
そして、日本にやって来る


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