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ATTAC京都

"Walk Now Together For Peace"

(最終更新: 7月29日)

ATTAC京都

イラク復興特別措置法成立に対するアピール

  1. イラクへの自衛隊派兵を可能にするイラク復興特別措置法が可決、成立しました。これは自衛隊の陸上部隊を戦後はじめて、現に戦闘が行われている戦場に派兵しようとするものです。ATTAC京都は、自衛隊のイラク派兵に断固として反対します。
  2. 米英政府がイラク戦争開戦の最大の「大義」としたのは、フセイン政権による大量破壊兵器の開発でした。仮にそのような事実があったとしても、多数の市民の命を奪う戦争が正当化されるわけではありません。しかし、この「大義」ですら、その欺瞞性を露呈してきています。大量破壊兵器は結局いまだに見つかってはいませんし、大量破壊兵器開発の重要な証拠とされたものが実は捏造であったという報道も相次いでいます。明白な証拠がないにもかかわらず、謀略的な情報操作によって「証拠がある」と偽って戦争を開始したことが明らかになることで、イラク戦争の正当性は完全に崩れ、占領支配の不法性がいっそう明白になっているのです。
     現在もなおイラクでは、「フセイン前大統領とその政権の残党探し」と称して、米英軍による一般市民への加害が相次ぎ、幼い子供を含む犠牲者が後を絶ちません。その中で、米英軍の支配への人々の抵抗もいっそう強まり、米兵に対する襲撃も連日のように行われています。まさに、イラク全土が戦闘地域となっているのです。こうした状況のもと、自衛隊は、イラクの人々を軍事占領によって支配する加害者の一員として派兵されようとしているのです。
  3. それとともに重要なのは、イラクの人々に対して加害者の側に立つ一人一人の末端の米英兵士や自衛隊員すらもまた、この大義なき不当な戦争の被害者の位置に立たされているという事実です。特に懸念されるのは米英軍が都市部でも大量に使用した「第2の核兵器」とも呼ばれる劣化ウラン弾による被害の危険です。この危険は、敵味方の区別なく襲いかかるものであり、91年の湾岸戦争でも、イラクの人々と米軍兵士とその家族に重篤な病をもたらしています。国連や欧州連合、英国王立協会でも重大視されている問題です。それにもかかわらず米英政府は劣化ウラン弾の危険性を認めておらず、兵士は何も知らされず、何の防護装備もないまま、戦場に送られています。発病しても何の補償もありません。
     このように被占領者・占領者の区別を超えて、幾重にも被害者を生み出す劣化ウラン弾の危険を無視し放置する米英のブッシュ政権とブレア政権、そして唯一の被爆国の政府であるにもかかわらずこれらに追従する小泉政権の行いは、人類社会全体に対する、人間性そのものに対する犯罪です。
  4. いま、世界中で、米英軍のイラク占領支配に反対する運動が起きており、9月13日などには、幅広い反戦・平和運動勢力によって国際的な統一アクションも呼びかけられています。特措法が成立したとはいえ、イラクへの自衛隊派兵が具体化されるのはこれからです。ATTAC京都は、戦争と占領支配、劣化ウラン弾など非人道兵器の使用――すべからく兵器は非人道的ですが――に反対する世界の人々と力をあわせ、自衛隊を実際にイラクへ派兵させないための運動を広げていくことを呼びかけます。
  5. 日本政府は自衛隊の恒常的海外派兵法案の本格的準備にとりかかる方針を明らかにしています。いま、米国ブッシュ政権は、「国家安全保障戦略」(ブッシュ・ドクトリン)――「自由と民主主義」「自由貿易と自由市場」という「アメリカ的価 値」を絶対的「正義」とし、それに逆らう「悪」は先制攻撃をも辞さずに撃ち滅ぼして、その価値を全世界化する――にもとづいた、グローバル戦争の構想を持っています。実のところそれは、自由と民主主義の名を借りて、人々の生きる権利や自然環境、地域経済を犠牲にしてまで利益をむさぼる、ごく一部の多国籍企業の「自由」のため、世界を売り渡すための戦争に他なりません。ガイドライン法や有事法制、今回のイラク特措法、そして恒常的海外派兵法案によって、多国籍化した日本企業とともに日本の国が、この経済と軍事両面のグローバル戦争に恒常的に参戦していく体制がつくられようとしているのです。
  6. ATTAC京都は、多国籍企業の利益が最優先される新自由主義的グローバリゼーションとともに、これを支える「戦争と軍事のグローバリゼーション」にも反対します。そして、こうした動きに対抗し、弱肉強食に代わる世界の秩序を創造するため、為替取引税(いわゆるトービン税)の国際的導入と、その税収を世界の貧困・環境問題などの解決に役立てるための公正な国際機関の創設など、平和で、公正で、希望にあふれる民主的なグローバリゼーションを実現していくための知恵と実践を広げていくことを提案します。

ATTACって?
ATTACは、生活にかかわるあらゆるものを商品化してカネもうけの対象にしようという『市場万能主義』のグローバリゼーションに反対して活動している国際NGOです。弱肉強食、戦争と抑圧のグローバリゼーションではなく、平和と人権、民主主義が大切にされる『もう一つのグローバリゼーション』をめざしています。京都には昨年5月に事務局ができました。
 E-Mail : kyoto@attac.jp (ATTAC京都事務局)


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