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ATTAC京都とは?

ATTACとは? ― 世界は売り物じゃない!

「市場にまかせればすべてうまくいく」という市場万能主義的・新自由主義的な経済のグローバリゼーション。

しかしそれは、水や医療など公共サービスから、動植物や人の遺伝子情報、先祖伝来の知恵まで、あらゆるものを売買の対象とし、世界規模での経済競争を推し進めようということにほかなりません。このグローバリゼーションによって今、日本も含め、世界のあちこちで、貧富の差の拡大や環境破壊、社会福祉の後退、労働条件の悪化などの問題がますます深刻になっています。「規制緩和」「自由化」「民営化」とは、私たちの暮らしと基本的人権を守ってきた制度を破壊し、企業社会に世界を売り渡す巧妙なからくりとなっています。それは小泉政権が錦の御旗にかかげる「聖域なき構造改革」の実態でもあります。

こうした新自由主義グローバリゼーションの問題の公正な解決をめざして、1998年にフランスで生まれたNGOがATTACです。

ATTACとは「市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション(Association for the Taxation of financial Transactions for the Aid of Citizens)」の略で、1997年のアジア通貨危機をうけてフランスの「ルモンド・ディプロマティク」誌日本語版)に掲載されたイニャシオ・ラモネ氏の「市場を武装解除しよう」という表題の論説が、誕生のきっかけでした。

この論説でラモネ氏は、投機的資本取引によって毎日1兆5千万ドルもの金が何度も取引きされ、それが高金利、債務の増加、大量のレイオフ等の問題を引き起こしていることを指摘し、金融のグローバリゼーションを進めてきたIMF*・世界銀行、OECD*、WTO*などの「権力」を武装解除することが、「ジャングルの掟」による支配を阻止するための最優先課題であると主張しています。そして、投機的な金融取り引きを抑えるために、これに0.1%程度のごく低率の税(為替取引税または提唱した経済学者の名を取って「トービン税」ともいいます)を課すことをもとめるNGOの設立をよびかけたのです。

* IMF = 国際通貨基金,OECD = 経済協力開発機構,WTO = 世界貿易機関

このラモネ氏の呼びかけに応えて生まれたATTACは、このトービン税を世界的に導入することによって、通貨危機のような破局をもたらす投機的な金融取引を抑制するとともに、年間約1600億ドルと推定される税収を、途上国の債務返済や公共サービスの充実、環境破壊の修復など、グローバリゼーションの諸問題の解決に使うことを求め、世界経済についての情報の共有と討論、研究や学習を活動の柱としています。ATTACのシンボル"%"マークは、為替取引税の税率を象徴したものです。さらに、この資金の運用の仕方も含めて、民主主義の回復・実現・拡大もATTACの中心テーマになっています。ATTAC国際運動の基本綱領では、活動目的を次のように定めています。

金融界の利益のために民主主義が失った空間を奪回し、投資家や商売人の<権利>を口実にして国家主権が放棄されることに反対し、世界的規模で民主主義的空間を創りだすこと

現在フランスでは、会員は3万人を越え、全国の自治体も数多く参加しています。これと並んで世界40ヵ国以上でATTACが生まれ、「世界は売り物じゃない」「金融界の利益のために民主主義が失った空間をとりもどそう」「もう一つの世界は可能だ」をスローガンに、先進国と途上国の垣根を越えて活動する国際的なネットワークをつくりあげています。

また運動の発展の成果として、ヨーロッパでは国際金融取引への課税は趨勢となってきました。2001年11月には、フランス国会が国際金融取引への課税を条件付きながら採択しました。欧州連合(EU)の欧州議会でも多数の議員がロビー活動をすすめており、World Parliamentarians Call for Tobin Tax (トービン税導入を求める世界議員)というインターネット署名も行われています。2003年3月21日現在864名の署名があります。日本でも徐々に関心を呼び起こしつつあります*

* 「アジアの環境協働管理を /為替取引税で貧困対策を」(朝日新聞Asahi Asia Network)
* 「サミットのアフリカ支援合意 「IMF路線」は見直す時」(毎日新聞「記者の目」2002年7月2日)

ATTACの国際的活動

ATTACは、シアトルからジェノバへと続いた一連の国際的な会議に対するデモの組織化、インターネットを通じた情報の提供(ニュースレターがフランス語、スペイン語、英語で毎週全世界に送られています)でも大きな役割を果たしてきました。

2001年からは、ブラジルの先進民主都市ポルトアレグレで、世界社会フォーラムを、世界の他のNGOやCSO(市民社会組織)とともに開催しています。2003年は参加者は8万人を超えました。アフガニスタンやイラクに対する戦争(攻撃)に反対する運動やパレスチナ連帯の行動にも積極的に参加しています。2004年はインドのハイデラバードで開催される予定です。

また世界社会フォーラムの流れとして、2002年11月にはフィレンツェで「ヨーロッパ社会フォーラム」が、2003年1月にはインドで「アジア社会フォーラム」が、それぞれ開催されました。

「反」グローバリゼーションではなく・・・

ATTACの活動は、しばしば「反グローバリゼーション」と呼ばれています。とくに2001年9月の米国同時多発テロ以降は、あたかも原理主義的テロリズムと同根の運動であるかのような印象がメディアを通じて与えられ、世界各国のATTACの間にある種の危機感が広がったこともありました。

けれどもATTACが反対しているのは、「ジャングルの掟」が支配する先進国・多国籍企業など経済エリート主導の新自由主義グローバリゼーションです。これに代わる「もう一つの世界」のための市民のグローバルな絆、「もう一つのグローバリゼーション」、「希望のグローバル化」をすすめるのがATTACの活動です。

ATTAC京都について

ATTAC京都は、このような世界のATTACの活動に共鳴した京都近隣の市民・学生有志が、2002年5月に設立したものです。日本では2001年秋に設立されたATTAC JAPAN(首都圏)ATTAC関西に次ぐ3番目のグループです。

ATTAC京都では、現在、世界および日本で生じているグローバリゼーションの諸問題に関する月例学習会や、グローバリゼーションの諸問題やトービン税(為替取引税)に関する情報発信をメインに行っていますが、具体的な中身については、参加者の皆さんで一緒に作っていきます。

グローバリゼーションとは何か、その何が問題なのか、それは私たちの暮らしとどう関わりあっているのか。素朴な疑問を大切にしながら、一緒に問題を探り、考え、行動していきましょう。

ATTAC京都の活動内容

月例学習会

講演会を中心として月例学習会をおこなっています。日程などは今後の活動予定をご覧ください。

分科会

トービン税や地方自治、ODA(政府開発援助)、農業問題などについての調査分科会を設けるするなど、継続的な活動が少しずつスタートしています。他にもいろいろなテーマについて調査チームを作って、グローバリゼーションの問題の理解と共有を進めていく予定です。「こんなテーマでやってみたい」とアイデアのある方は、ぜひ企画を持ち込んでください。

各種ジョイント・イベント

京都近隣の各種NGOや団体、個人と協働して、さまざまなイベントも開いています。2002年度は、2002年10月にもう一つの世界は可能だ! ジョゼ・ボベ・トークライブ in Kyoto & ボベ's カフェ、2003年3月には「悠流(ゆうる)2003 〜 世界を結ぶ水とスローライフ」を行いました。このようなジョイント・イベントを通じてATTAC京都は、さまざまな個人やグループをむすぶ「出会い系NGO」としての役割も果たしていきたいと考えています。

情報発信

現在、ニュースレター"Kattac"(かたっく)が学習会にあわせて月一回のペースで発行されています。バックナンバーは当サイトのホームページからご覧になれます。またATTAC Internationalが発行しているニュースレター「サンド・イン・ザ・ホイール(Sand in the Wheel)」の日本語訳が、ATTACニュースレター日本語版ミラー・サイト)が、ATTAC JAPAN(首都圏)のウェブサイトで読めます(メールニュースでの配信も行っています)。

ATTAC京都メーリングリスト

ATTAC京都には、情報交換や運営方針の議論のためのメーリングリストがあります。どなたでも参加できます。参加お申込み・お問い合わせはkyoto@attac.jpまでどうぞ。

基本は「この指とまれ!」

ATTAC京都の活動の基本は「この指とまれ!」です。自由に活動のアイデアを出し合って、「一緒にやってみたい」と思う個人が自由にチームを作って活動する。それぞれの考え方や行動のスタイルの違いを生かし、さらにお互いにぶつけ合うことで新しいものを生み出すのがねらいです。

(最終更新: 2003年6月9日)


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