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ATTAC京都グループ03年度総括(案)


事務局の山沖です。

以下に、2003年度総括・方針案を提案させていただきます。
ご検討よろしくお願いします。


(最終更新:04/08/29)
ATTAC京都2003年度総括・方針案
文責:山沖直樹

〔理念〕
 ATTACは、そのヴィジョンとして‘another world is possible’(「もう一つの世界は可能だ」)を掲げています。これは、‘There is no alternative’(「他に選択肢はない」)の言葉のもとに超国家的資本の利益のみを追求し、民主的空間を破壊しようとしている新自由主義的改革の担い手達に対抗するものです。

 ATTAC京都は、そのような「もう一つの世界」の実現のために、京都を中心に、多種多様な市民の力を結合させていくことを目指しています。そのために、様々な市民活動に関わり、その中で具体的な問題提起や行動提起を行なうなどの活動をしてきました。

〔昨年度の総括〕
○評価できる点
 昨年度は、ATTAC京都結成2年目ということもあり、他団体主導の取り組みへの参加だけではなく、ATTAC京都が独自の意義と目的を持って行った活動が目立ちました。特に、9月のWTO閣僚会議(カンクン)にあわせて行ったグローバル・ピース・マーチ、12月に職とまちづくりをメインテーマに行ったシンポジウムカフェ、『京都<創造都市>化計画』(通称『創造都市企画』)などは、規模こそ前年度のジョゼ・ボベやバンダナ・シヴァの企画とは比べようもありませんが、ATTAC京都自身が企画立案し、実現させた点で大きな意義があったといえましょう。
 またテーマとしても、これらの企画を通じて、グローバリゼーションと個々の地域の問題とを結び付けようという姿勢が徐々に明確な形をとり始めています。その姿勢は、3月のWSF報告会を経て、今年12月に予定されている『京都社会フォーラム』にもつながっています。

 個々具体的な活動に目を移すと、より分散型、ネットワーク型の様相を呈し始めています。
 反戦・平和の分野では、京都におけるさまざまな活動に平和部会を中心に関わってきました。10月には、左京区レベルの枠組みで行われた「ピースアクション」の主催者の一角として、ピースパレードの演出を行い、また3月の3・20平和行動では、京都全体での統一行動を作り上げようとする気運の中、各集団をつなぐ媒介としての役割を一定果たすことができました。

 また、2004年2月に行われた京都市長選挙では、ATTACとして特定の候補者を支援しないという立場を明確にしつつ、グローバリゼーションが京都に様々な影響をもたらしている現実を直視し、「もうひとつの京都」の実現をめざすという基本姿勢をあきらかにしました。そのような基本姿勢から、各立候補者に対して公開質問状を送り、各候補者の政策を明らかにするという形で、積極的に選挙に関わりました。この経験は、ATTACというNGOと、地方自治体ひいては政治そのものとのかかわりを考える上での貴重なテストケースになったといえましょう。

 食と農といった分野でもまた、大きな成果が上がっています。活動としては、11月に立命、京大での学園祭に出展したスローフードカフェが大好評を得た事、および先ほど述べた『創造都市企画』の開催が大きなところでしょう。有機農や食の安全を、健康や美食からではなく、国際貿易や産業・環境といったより社会的側面からアピールしたことが多くの人に強い印象を与えたらしく、マスコミや他団体の中には、ATTAC京都といえば「食(スローフード)」と考えているところも少なくありません。また、5月の「吉田太郎氏講演会」でも実行したように、「食と農」関連の企画では、実際に料理し食事をするというスタイルも定着しつつあるようです。

 特筆すべきは、これらの活動はATTAC京都全体としてではなく、各部会、各グループ内で企画立案され、個々に進められた活動であるということです。個々に挙げた比較的大きな企画だけではなく、小さな学習会や行動が様々なレベルでも行われています。それぞれの興味関心の分野における活動が、ATTACのネットワークの中で行われていくスタイルが少しずつ形になってきているのではないでしょうか。

 以上のような活動を通じて、ATTAC京都がグローバリゼーション関連のNGOとして京都内でも認知され始めてきたようで、マスコミや他団体からの反応も少しずつ手ごたえが出てきています。今後も、この積み重ねを大事にしていかなければなりません。

○反省点
 反省点として一番にあげるべきは、ATTAC京都内での組織的なあり方が崩れてきたことです。さきほどATTAC京都の分散的・ネットワーク的性格について積極的な評価をしましたが、その反面、組織そのものが分散してしまい、責任・決定過程の不明確さ、情報提供の濃淡の発生、会員間の相互距離の格差などといった弊害が生まれてしまっています。
 第一の原因として、事務局機能の未熟があるます。責任の所在や業務の分担、確認がシステムとしてではなく個人間の人間関係の中で処理されていたことで、確認したはずのことがなされなかったり、作業にむらができたりといった自体がまま見られました。このような、ある意味学生サークル的なあり方から脱却できなかったことが大きな問題となっています。
 また、同時に、ATTAC京都が基幹として持っている価値観、ビジョンについての認識のずれがそのままにされていることもあげられます。その結果、ほかの人から見て、ATTACの全体像がぼやけてしまったり、具体的活動が理解されにくかったりすることがありました。ずれはあって当然なのですが、問題はそれらを議論し、互いに検証しあう機会がなければ「議論系NGO」を名乗ることもできないでしょう。その意味で、会員同士が交流し、お互いの意見をやり取りする場があまりにも作れなかったことが、大きな反省点といえます。

 また、そのような内面的な問題と関連するのですが、組織の存続、拡大のための努力が軽視されがちであったことも大きな問題です。具体的には、会員の拡大、会費の徴収などですが、いつも一緒に活動しているが会員ではない、会員だけれども会費は徴収された覚えがないといった人が多く、そういうところに、この面での努力がまったく不足していることがはっきりと現れています。今後は、会員(及び会費)処理を的確に行うとともに、会員の拡大を図る努力をせねばなりません。それは同時に、会員に対するサービスを的確に行うことでもあります。

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